はじめに
2022年ごろからFlutterを使ってモバイルアプリを個人開発しています。これまでにリリースしたアプリは10本を超えました。ゲーム、ユーティリティ、教育系、習慣化——ジャンルはバラバラですが、すべてひとりで設計・開発・リリース・運用してきました。
今回は「Flutterで個人開発を続けてきてわかったこと」を、成功と失敗の両面からまとめてみたいと思います。これから個人開発を始めたい方や、続かないと悩んでいる方に少しでも参考になれば嬉しいです。
Flutterを選んだ理由
個人開発においてFlutterを選ぶ最大の理由は「1つのコードベースでiOSとAndroid両方に対応できる」ことです。個人開発者にとって、開発リソースは常に限られています。SwiftとKotlinを両方書くのは、機能追加のたびに2倍のコストがかかります。
もちろん、Flutterにもデメリットはあります。ネイティブの細かい挙動との差異が出る場面や、特定のプラットフォーム固有の機能を使いたいときにプラグインの対応を待つ必要があるケースも。ただ、それを差し引いても「一人で両プラットフォームに展開できる」メリットは圧倒的です。
失敗から学んだこと
1. 「作りたいもの」と「求められているもの」のギャップ
最初に作ったゲームアプリは、自分では面白いと思って作ったのにほとんどダウンロードされませんでした(詳細はこちらの記事)。原因を分析すると、「市場にどんな需要があるか」をほとんど調べていなかったことに気づきました。
2. 機能を詰め込みすぎる罠
「せっかく作るなら豪華に」という気持ちで、最初から多機能にしようとすると開発期間が伸び、モチベーションが落ちる。シンプルな機能でリリースし、ユーザーのフィードバックを見て追加機能を決めるほうがずっと効率的でした。
3. ASO(アプリストア最適化)を後回しにする
開発に集中するあまり、アプリ名・説明文・スクリーンショットの最適化を後回しにしていました。App StoreもGoogle Playも、検索アルゴリズムがあります。タイトルや説明文にどんなキーワードを入れるかで、検索からの流入が大きく変わります。
続けるためのコツ
小さく始めて早くリリースする
「完璧なアプリをリリースしよう」と思っていると、いつまでも完成しません。最初の1本は「動く最小限の機能だけ」でリリースすることをおすすめします。ユーザーがいなくても、「公開した」という事実がモチベーションになります。
週次でコミットする習慣をつくる
個人開発は義務がないぶん、サボりやすい。「週に3回は何らかのコミットをする」というルールを自分に課すだけで、継続しやすくなりました。大きな機能追加じゃなくても、バグ修正でも、テキスト修正でもいい。「触れた」という記録が次につながります。
アプリのポートフォリオを広げる
1本のアプリに全精力を注ぐより、複数のアプリを持つほうが精神的に安定します。あるアプリが伸び悩んでいても、別のアプリが好調なら開発を続けるモチベーションが保てます。また、異なるジャンルのアプリを作ることで、技術的なスキルも幅広く磨かれます。
収益化のリアル
個人開発の収益化は、正直に言うと「すぐ大きく稼げるものではない」です。広告収入(AdMob)だけで生活できるようになるには、相当なダウンロード数が必要です。
現実的な戦略としては、以下の組み合わせが多いです:
- 広告収入(AdMob):無料アプリに広告を入れる。規模が小さい間は収入も小さい。
- アプリ内購入:広告非表示・プレミアム機能の有料解放。ユーザーが価値を感じるものだけに絞る。
- 複数アプリの積み上げ:1本10円の収入でも、10本あれば100円になる。地道な積み上げが基本。
個人開発で本業に代わる収入を目指すなら、最低でも数年単位の視点が必要です。短期での成果を期待して始めると、すぐ挫折します。「楽しいからやる」というベースがある人が、結果的に長く続けられると感じています。
App Store / Google Play 審査について
審査でリジェクトされた経験も何度かあります。特に多かった理由:
- プライバシーポリシーのURLが正しく設定されていない
- スクリーンショットがガイドラインのサイズ要件を満たしていない
- アプリの説明に誇大な表現がある(「最高の〇〇」など)
最初のうちは審査が通るたびに達成感がありましたが、慣れてくると「どこで引っかかるか」がある程度予測できるようになります。特にiOS(App Store)の審査はAndroidより厳しいので、事前にガイドラインをしっかり確認することを強くおすすめします。
まとめ
Flutterでの個人開発を3年続けてきて、一番大切だと感じるのは「続けること」です。技術的なことは調べればなんとかなる。マーケティングも試しながら学べる。でも「やめた」ら何も残らない。
失敗してもいい。爆死してもいい。それも経験として積み上がります。個人開発は、誰かの許可がなくても自分のアイデアを世界に発信できる、数少ない手段のひとつです。興味のある方は、ぜひ小さく始めてみてください。